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ECサイト 2020年8月31日
こんにちは。メンバーズスタッフです。
ディレクター暦は数十年、直近はECサイト運用案件に5年近く携わっています。
ECサイトの売り上げ向上は思うようにいかないことがままあり、日々試行錯誤です。 良い商品ば自然に売れていくはず。と自信を持っていても、実際は来訪があっても売り上げにつながらない。そもそも来訪が少ない。など悩みはつきません。本当に大変です(泣)。
集客増や販売促進のため、多くのショップで行われているクーポン施策。お誕生日クーポン、新規購入クーポンなど種類もさまざまです。せっかく出すからには、より使ってもらえるクーポンを目指したい。このブログでは、クーポン利用実績が改善した事例をご紹介します。
ネットショップでのお買い物。自身の運営ショップでは売り上げどうしよう・・と悩んでいても、いちユーザーとして買い物するのは楽しいです。いくつもお店を回り、ほしいものを見つけた。早速買い物カゴに入れて、支払い情報入力しよう。ん??画面の隅に「お得クーポン」と書いてある。クーポンあるのかな?
「お得クーポン」
ネットショップによくありそうな文言です。「値引クーポン」「割引クーポン」などもあるかもしれません。バナーで使われることが多そうです。
「クーポン」で画像検索してみると、検索結果にはたくさんのバナーが出てきます。売る方も買う方も日常的に活用しています。 意味は読んだとおり。おそらくお得なクーポンがあります。しかし、実際どのくらい得なのか? バナーを見ただけではお客さまにはわかりません。
もちろん「お得クーポン」でも成立します。効果が出ているものもあると思います。
ただし、どのくらいお得になるか、数字でわかりやすく訴求すると、更に効果が上がります。今回は数字の見せ方を変えただけで、劇的にCVRが向上した事例を紹介します。
ご支援先のトップページには「お得クーポン」のバナーが常時ありました。継続的なキャンペーンです。バナーのランディングページ(LP)に、具体的な値引き金額が明示されている構成でした。
クーポンの値引き額を見ると、使用条件付きですが魅力的ですが、遷移元のバナーを見ると、クーポンがあることの訴求しかできておらず、いくら還元されるのかがわかりにくい状態でした。
クーポンは現状でもお客さまに使っていただいてますが、メリットとなる数字を明示することで、きっともっとたくさんの方に使っていただけるはず。との仮説のもと、バナーに値引き金額を記載するよう改修しました。
結果はバナー掲載先のトップページからLPへの遷移率が向上、さらにメルマガで同じバナーを使用したところ、LPへの流入数が同期間比較で倍以上。より効率的な集客に貢献できました。
バナーに数字を入れるのは決して目新しい施策ではありません。既に作られているショップさんも多いと思いますが、あらためて比較してみると効果は明白です。私も必ず効果が出る。と確信していましたが、実際に結果を見てこれはおろそかにはできない。と認識させられました。
以下は推測になりますが、バナーの作成時、○○円引き、△△円引きと割引が複数あるため、「お得クーポン」とまとめた言葉を選んだのかもしれません。作り手としては納得しやすい選択です。しかしバナーを目にするお客さまは「お得といっても、どのくらい得できるのか。どうも心に響かないな・・・」となんとなくスルーしているのかも。これはもったいないです。
「最大1,000円オフクーポン」なら具体的にメリットが分かります。お客さまは「1,000円引きはお得。タップして先を見てみよう」と安心して行動に移れます。
リアル店舗に行けば「全品10%オフ中でーす!!」の掛け声や、レジでは「もう1点お買い上げで、さらに割引になりますよ」など、店員さんがお得情報を知らせてくれます。しかし、以前のブログにも書いたとおり、ネットショップにはちょうどよくお知らせができる店員はいません。ユーザーは自力でお得情報を見つけます。せっかく用意したクーポンをお客さまに気持ちよく使ってもらえるショップを目指ざしましょう。
Googleアナリティクスを眺めていると、流入は多いのに直帰率がものすごく高いページがありました。(流入で上位10位に入ります)すでに強力な流入導線ができています。少しでもこの流入パワーを活かせるページにならないだろうか考えました。
そのページの訴求内容は、リアル店舗向けキャンペーンなどのお得情報を集めたページでした。定期的に、キャンペーン情報を見にくるお客さまが多そうです。
「お得な情報を知りたい」というユーザーのニーズとも合致するので、先ほど、ご紹介した値引き額入りクーポンバナーを訴求したらどうだろうと、ご支援先に提案をし、ご採用いただきました。
早速バナーを掲出したところ、狙い通り回遊してくれる動きが現れました。
このページは改善実施の前後2ヶ月間比較で、約6%直帰率改善、CVRは約27%、収益は約83%の向上になりました。回遊と購買が生まれた形です。
前述の事例より、お得を明示したバナーからサイト内回遊が見込めるとわかりました。
もっと回遊促進したい。さらにバナーを出せる場所はないかと、サイト内の別のページを探してみました。
目についたのが、定型のランディングページとして量産されたページ群です。アクセス数は既に出ています。外部からの流入もあります。せっかく来訪者があるのだから回遊をより促せないかな。
コンテンツの一番下とフッタの間にクーポンバナーの掲示エリアを新設することを提案しました。改修対応としてはバナーを置いたのみです。
設置にさほど手間がかからなさそうなのもあり、少しでも回遊が出たら程度であまり期待はしていませんでした。人の通り道にバナーを出せそうな場所を見つけたら、まずはすかさず置いてみる。の心持ちです。
設置後は前後2ヶ月間比較で、直帰率は減少、EC収益とCVRは増加になりました。バナー設置によりこのページ群からの回遊と購買が生まれた形です。ひとつひとつのページからの売り上げは大きくはありませんが、ECサイト全体の収益は、各ページが生む小さな収益の積み重ねでもあります。
リアル店舗のお得紹介ページにもバナーを配置しましたが、ページ下方のバナーを逃さず見つけて「ここにもお得情報がある。タップして先をみてみよう」とお客さまが動いてくださったことが、ありありと想像できる結果が出ました。
お得が好きな人はやっぱりお得が好き。とお客さまの心が見えたような気がします。作り手の私も、クーポンを使ってくださったお客さまにもうれしい結果になりました。来訪してくださるお客さま、そしてショップ運営のみなさまも、皆がハッピーになれる施策やサイトを目指したいですね。
今回は訴求強化と回遊強化についてお伝えしました。バナーの内容や設置場所をより効果的にしたい。訴求力を高めたい、もっとたくさんのページをお客さまにみてもらいたい。メンバーズルーツカンパニーではWeb制作・運用のプロが皆さまのECショップを診断、より魅力的なサイトに改善いたします。お気軽にお問い合わせください。
Webディレクター暦十数年。近頃はGAの数値を見て季節の移り変わりを感じています。趣味はクラシックピアノ。偉大な作曲家たちも喜びを広げるために曲を作ったのかな。などと想像できる良い活動です。 ルーツサポーターとして、メンバーズルーツの活動を支援。