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地方銀行・地方中堅企業におけるDX事例まとめ(2021年2月後半)

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツカンパニーの広報担当です。

2月の後半は、地方銀行(以下、地銀)のDXの動きと共にデジタル活用の先端を進む大手銀行、ネット銀行のDX事例などを取り上げてご紹介していきます。

地銀が地域企業の活性化にどのような形で寄り添い、支援していくのか。また、大手銀行はデジタルの力をどのように銀行業務に活かしていくのか。

従来の銀行の形が変わり行く様子が感じられる事例をピックアップしてみました。ぜひ、チェックしてみてください。

地銀DXで実現する「SDGs」。新たなデジタル支援で環境問題や社会課題を解決

地域の経済を支えるため、地銀を中心に企業活動を支援する様々な取り組みが各地で始まっています。また、それらの取り組みは一時的な地域経済の活性化対応ではなく、企業活動全体が環境保全や社会課題の解決につながるような、SDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)を意識した長期的な視点を取り入れた傾向がみられました。

地銀が主導する新たなアイデアによって、地方の経済とそこに住む人々の暮らしが活性化されていくことが期待されます。

HEDGE GUIDE:静岡銀が中小企業向け「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結。SDGs達成に向けた事業活動を支援

2月1日、静岡銀行は平野ビニール工業株式会社とPIF(ポジティブ・インパクト・ファイナンス*1)契約を締結したことを発表、1億円を融資しました。

中小企業を対象にしたPIFは国内初となり、融資先である平野ビニール工業は繊維製品、帆布製品、車両用シートの表皮の裁断縫製メーカーとして外国人労働者への就業機会も提供しています。これらの活動は「多文化共生」や「サプライチェーン維持」、「地域経済活性化」へとつながるポジティブな影響として評価。

その一方で、ネガティブな影響を低減する活動としては、廃棄物の削減、省エネ機器の導入による環境負荷の低減にも取り組んでいます。

静岡銀行は、融資後も地域経済への貢献や環境対応など、平野ビニール工業の目標・指標をチェックしながら達成をサポートしていきます。

*1…企業活動が環境・社会・経済のいずれかの側面において与えるインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析し、特定されたポジティブインパクトの向上とネガティブインパクトの低減に向けた取り組みを支援する融資。企業による SDGs 達成への貢献度合いを評価指標とし、その過程を情報開示する。

産経ニュース:イオレが島根銀行とデジタル化推進の取組開始、子育て層を支援

1月29日、島根銀行は子育て層の支援の一環として、株式会社イオレとデジタル化推進に関する取組を開始したことを発表しました。

これは、イオレが持つビッグデータや広告運用ノウハウといったアドテクノロジーを活用し、適切な教育資金等の金融情報をより多くの山陰地区の子育て層に迅速に提供するための取り組みです。

従来のFace To Faceのマーケティングから共働き家庭の増加などで対面できないお客さまが増えてきたことに合わせ、デジタルを活用したマーケティング施策へと変更を試みました。

これによって、デジタルプロモーションを駆使して島根銀行の提供する教育ローンを広く浸透させ、より多くの子育て層の支援の実現へと踏み出します。

大手銀行、ネット銀行はスマホユーザー向けのデジタル活用サービスが好調!

押印廃止や銀行口座の通帳レスなど、金融機関のデジタル活用はウィズコロナの時代となった今、更なる加速が予想されます。

非接触・非対面のサービスは金融機関以外でも多く取り入れられ始めていますが、コロナ禍で生活様式が変わり、単なる形式的な手続きは本当に必要なのか?ということをあらゆる場面で改めて感じた方も多いのではないでしょうか。

そして、多くの方がスマートフォンで完結する銀行手続きや投資などを利用していますが、その一方でデジタルに不慣れな人が金融インフラサービスから取り残されることがないような仕組み作りも必要です。

いずれにしても、大手銀行、地銀、ともに“ユーザーに寄り添う”形でサービス提供することが重要であるという点では変わりありません。

SankeiBiz:通帳有料化でデジタル誘導 大手行、窓口負担減らしコンサル強化

大手銀行では紙の通帳の有料化など、デジタル取引の利用を促す試みが広がっています

これらは、窓口業務の負担を減らし、コンサルティングサービスを強化するという狙いと、超低金利環境下におけるコスト構造の改革が業界共通の課題となっている事情があります。

そして、続くコロナ禍の中でデジタル取引への移行は利用客にも理解が得られやすい状況となったこともあり、取り組みは急ピッチで進んでいます。

みずほ銀行やあおぞら銀行、三井住友銀行も紙の通帳の発行に手数料を徴収し始めると発表されました。実は、紙の通帳の発行には、紙自体の料金や印刷コストが掛かっており、さらに通帳の印紙税(1口座につき毎年200円)があることなど、紙の通帳は銀行の経営に重い負担になっていました。

また、手続きの簡素化として署名や捺印をなくす取り組みも進んでおり、さらなる窓口業務のデジタル化とコンサルティング面の強化が進んで行くと考えられます。

その中で銀行側が考慮しなければならないのは、高齢者等のデジタル化へ不安を感じている人への対応です。デジタルに不慣れな利用者が金融インフラサービスから取り残されることがないよう、分かりやすい案内をしていく必要があります。

ケータイ Watch:auじぶん銀行、行名変更1周年記念で合計12のキャンペーンを実施

2月9日、インターネット銀行の「auじぶん銀行」が、行名変更1周年記念の発表会を開催しました。

この日は取締役社長の臼井朋貴氏が登壇し、ウィズコロナの中でユーザーが非接触非対面での取引を望む声が高まっている中で、スマートフォンですべて完結するシステム設計を取り入れるメリットについて語りました。

また、当行の口座数は既に420万超、預金残高も12月に1兆8000万円を突破するなど順調な伸びを展開していますが、米国や欧州と比べると現金預金資産が圧倒的に多く、眠っているお金が多いとして、Pontaポイントで運用できる「auPAY ポイント運用」での投資体験や投資信託を活用した少額投資などを推奨しました。

今後については「銀行を連れて、生きていこう」のブランドメッセージとともに、暮らし(住宅ローン)、資産形成、社会・環境(SDGs)、ユーザーの4つを重点的に取り組む方針です。

時事ドットコム:LINE証券、サービス開始からわずか1年半で50万口座を突破!

LINE証券株式会社のスマホ投資サービス「LINE証券」が、2019年8月のサービス開始から約1年半で口座開設数50万口座を突破(2021年2月9日時点)しました。

「LINE証券」は、シンプルで直感的な操作性が特徴の新たな「スマホ投資サービス」として、2019年8月にサービス提供を開始。ユーザーのニーズに寄り添いながらサービスラインナップを拡充し、サービス提供からわずか1年に満たない期間で株式取引に関するサービスについてはフルラインナップを取り揃えているとのこと。

自己資金0円で投資が始められるキャンペーンや、オンラインでスピーディーに口座開設ができること、LINE PayやLINEポイントにも対応可能である点などが多くのユーザーに支持されたことに加え、新型コロナウィルスの感染拡大による投資への関心の高まりも口座開設数を増やす要因となりました。

「LINE証券」は今後も“投資をもっと身近に、もっと手軽に”をミッションに、投資初心者から投資経験者まで全ての「働く世代」のユーザーにとって価値のあるサービスの提供をするとともに、ユーザーの生活に溶け込んだ新たな総合証券サービスを目指します。

まとめ

ご紹介した事例は一部ではありますが、地銀、大手銀行でそれぞれの方向性が感じ取れたのではないでしょうか。

今回、地銀の事例をチェックしていく中で感じたのは、地銀と地元企業が地域の経済や暮らしに寄り添いつつもチャレンジングな取り組みを始めているという事です。また、大手銀行やネット銀行はスマートフォンの活用をさらに進化させています。

ユーザーに寄り添うマネー管理を目指しつつ、手続きをデジタル化へと集約する方向に進んでいる事がうかがえました。

これからの地域社会を活性化していくためには、地銀が地元企業とデジタルを組み合わせて、どう活用していくのかが鍵となっているかもしれません。しかし、その一方で地銀のデジタル担当者はリソース不足が原因となり、対応が進まないという現状を抱えている場合が多いのも事実です。

私たちメンバーズルーツカンパニーでは、地域金融機関のDX推進の即戦力となる「地銀DX人材サービス」を実施しています。メガバンクなどの金融企業さまのデジタル支援実績を持つメンバーを貴行のチームに提供(リモート常駐)し、DXプロジェクトの推進・発展を強力にサポートしていきます。

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