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【住宅ローン・投資編】地方銀行・地方中堅企業におけるDX事例まとめ(2021年5月)

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツカンパニーの広報担当です。

5月のDX事例は、住宅ローン審査や投資に関する事例などをまとめてみました。デジタルによる利便性、審査にまつわる手続きの本質を追求することでローン審査や投資のあるべき姿に近づいていく未来が感じられる内容です。新たな動きを見せている企業の事例をピックアップしていますので、ぜひ、ご覧ください。

顧客の利便性を追求したオンラインサービスでローン審査をスピーディーに!

住宅ローンと言えば、審査に2週間~1か月程度の時間が掛かり、何種類もの資料を揃える必要もあるため、面倒な手続きという印象をもたれがちです。
しかし、住宅ローンにもDXを活用したサービスは広がっており、単なるオンライン化だけに留まらず、借入の手続きのサポートとなるような顧客目線に立ったサービスも注目されています。さらに新たな機能として、審査に通る確率を上げられる提案機能の開発なども進んでいます。あらゆるサービスの手続きがオンライン化されていく中、ユーザー(消費者)は、住宅ローン審査もリアルよりオンラインを選ぶのが主流になるかもしれません。

新建ハウジングDIGITAL:iYell、サービス事業者向け「いえーる 住宅ローン手続きDXサービス」提供開始

住宅ローンに関する様々な課題をテクノロジーで解決するiYell株式会社は、住宅ローンノウハウを生かしたサービス事業者向けDX「いえーる 住宅ローン手続きDXサービス」の提供を開始しました。同社による金融機関および住宅事業者以外に提供する初のDXサービスとなり、サービス利用法人が集客したお客さまに対してサポートを行うというもの。住宅ローンを借りる場合には、資金計画や金融機関への提出書類の準備など多くの手間を要します。また、諸費用や登記に関するものなどについても不明点が出てくるかもしれません。そこで、お客さまが銀行の審査を通過し、無事に住宅ローンを借りられるようにサポートが受けられるという仕組みです。現在では、リクルート社の住宅ローン事前審査サービスの情報サイト「スゴい速い住宅ローン審査で家探しがもっと便利に。」に同サービスを提供。ジャパンネット銀行の住宅ローン申し込み手続きにも利用されています。

時事ドットコム:東京カンテイ、金融機関のオンライン完結型住宅ローンへの物件情報API提供を開始。まずはりそな銀行・埼玉りそな銀行新型ローンサービスへの連携から。

不動産情報サービス等の事業を手掛ける株式会社東京カンテイは、マンション担保評価が可能となる物件情報をAPIで提供開始しました。これにより銀行では精度の高い担保評価を、アプリ等を介して自動で算出することが可能となり、顧客利便性を向上させたサービスが実現できるようになります。また、該当するマンションの登記簿情報も並行して提供することで住宅ローン担保評価プロセス業務の大幅な軽減にも貢献。また、りそな銀行・埼玉りそな銀行からリリースされた当APIを搭載している「アプリ完結型住宅ローン」は、住宅ローンの借り入れに関する対面での手続きを全てなくすことができるというもの。住宅ローン申し込み時は、地図上に表示される物件をタップして選ぶことができ、従来に比べ約1/3の項目入力でユーザーの操作負担を大幅に軽減。煩雑な住宅ローンの借入手続きからデジタル時代に対応したサービスへのDXを通じて、次世代へ向けた新たな顧客体験を提供しています。

TechCrunch Japan:オンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」が6.5億円を追加調達、累計調達額は23.6億円

オンライン住宅ローンサービス「モゲチェック」を運営する株式会社MFSは、3月31日、第三者割当増資および社債発行により、総額6億5000万円の資金調達を実施したと発表しました。引受先は、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、あおぞら企業投資。今回調達した資金により、「住宅ローン審査に通る確率を上げるために個人の信用力をいかに向上させるか」に関連する提案機能や、人工知能の開発およびエンジニア採用を拡大する予定です。

今後は、JICベンチャー・グロース・インベストメンツの他の投資先企業との連携を通じ、住宅ローンのさらなる最適化を目指すとともに、引き続きユーザー目線に立ったサービスを追求。また、あおぞら銀行グループが培ってきた地銀とのネットワークを軸に、オンラインで住宅ローンが比較・申込ができる「モゲチェック」の地域金融機関への導入をさらに加速させ、住宅ローン業務のオンライン化の推進、日本の住宅ローンプラットフォームの定着を図っていきます。

投資の判断や資金調達はもっと自由に!ESG目標やクラウドファンディング、仮想通貨も

企業に対する投資にも、新しい選択肢が増え始めています。
近年では「SDGs(持続的な開発目標)」の考え方を取り入れている企業も全国に拡大しつつあります。また、これらを実現していこうとする企業に投資することは、社会や環境を意識した経営戦略となり、いずれは企業利益や企業価値向上に繋がるものと考えられています。

さらに、クラウドファンディングを通じた投資や仮想通貨を担保にした融資など、資金調達の手段も複数から選べるようになりました。今後は形式的な事柄より、本質に迫った判断基準を採用し、企業リスクや投資の可否を判断してくような仕組みに変わりつつあるようです。

日経ビジネス:政投銀がESGの新型ローン、目標達成まで“伴走

日本政策投資銀行(DBJ)は2020年12月2日、三菱ケミカルホールディングスと300億円のサステナビリティ・リンク・ローン契約を締結しました。これは、国際資本市場協会(ICMA)が原則を定めるESG関連ローン※で、ESGに関する目標の達成状況に応じて利率が変わるという特徴があります。
※ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字。これらに貢献し、中長期的に発展する展望のある企業を投資によって支援すること。

今回、三菱ケミカルHDが設定したESG目標は、廃プラスチックのリサイクル量。既に19年11月にはJXTGエネルギーと石油化学事業の連携を強化する有限責任事業組合を設立し、ケミカルリサイクル技術の実用化に取り組んでおり、ローンの活用によって取り組みを加速させたい考え。また、この融資には「対話を重視したESGローンを実現した」とDBJのサステナビリティ企画部調査役の福吉隆行氏が語っています。ローンを実行するかどうかの検証は、従来の「外部レビュー」から、「内部レビュー」での検証を国内初で採用。検証するのは三菱ケミカルHDで、DBJは対話(=エンゲージメント)を通して意欲的な目標を引き出し、目標達成の実現性を高める役割を担いながら目標達成まで伴走していきます。

ITmedia ビジネスオンライン:資金調達freee、「CAMPFIRE Owners」と「デジタルアセット担保ローン」に対応

フィンテック企業のfreee finance lab株式会社は、中小企業向けの資金調達を支援するオンライン資金調達プラットフォーム「資金調達freee」にて、新たな資金調達手法に対応しました。
対応したのは、クラウドファンディング事業の株式会社CAMPFIREが提供する法人向け証書貸付「CAMPFIRE Owners」と、新ビジネス・資金調達プラットフォームを創出するFintertech株式会社の「デジタルアセット担保ローン」の2つ。
「CAMPFIRE Owners」は、ネット上で複数の投資家から少額ずつ資金を集める融資型クラウドファンディングで、申込みはネット上で完結。最短30日で融資が実行されるなどスピーディーな調達が可能とのこと。「デジタルアセット担保ローン」は、仮想通貨ビットコインを担保とした融資サービス。差し入れるビットコイン価格の50%までを融資し、最短4営業日での融資が可能です。

まとめ

住宅ローン審査や投資の判断など、今後はもっと自由な選択ができる時代へと移り変わり始めていることが感じられたのではないでしょうか。

形式的な審査に時間が掛かるものこそ、デジタルテクノロジーによって手続きを最小限に収められるという利点があり、私たちの生活の中でもその便利さを実感できるサービスは増えつつあります。その一方で、投資判断も財務的な分析だけではなく、エンゲージメントを重要視する方向へと切り替わってきたという点もこれからの投資の判断基準になっていくのかもしれません。

今後、非金融分野で新たな価値を提供するためには、店舗をはじめとした既存業務の効率化に伴うリソースの確保が必要となってくるでしょう。そして、これからの地銀には生産性の向上と新規事業領域開拓の両軸を実現するためのDX推進が求められます。そのため、DXもミッションのひとつとして進めて行かなくてはなりません。

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