2025年10月29日:Craft Cross CMSの情報を追加(Newtのサービス終了に伴う更新)
WordPressはセキュリティリスクが高く不安視されている
銀行などの金融機関のWebサイトは、顧客からの信頼性の確保、日々更新される法律改正やルール変更への対応、頻繁な新サービスリリースによる情報更新が求められます。これらの業務を効率化するために、CMS(Content Management System)を利用したWebサイトの実装を行い、専門知識がなくても簡単に情報を更新できる仕組みが必要です。 現在、世界中で最も多く利用されているCMSはWordPressです。 WordPressはオープンソースでカスタマイズ性に優れていますが、セキュリティリスクが高く、以下のような問題が指摘されています。
デフォルトID状態でのパスワードクラック
プラグインの脆弱性をついた攻撃
バージョンアップ未実施による脆弱性をついた攻撃
その他にも、WordPressにはさまざまなセキュリティリスクが存在し、セキュリティを最重視する金融機関にとっては、WordPress導入の大きな障壁となっています。
弊社もこれまで金融機関向けにWordPress導入を提案していましたが、セキュリティリスクの懸念により、導入を躊躇する企業が多く見受けられました。そこで、セキュリティと利便性を総合的に判断した結果、「ヘッドレスCMS」という新しい形のCMSが最適解であると考えました。
今回はヘッドレスCMSについての説明と、弊社が実際の案件で導入した事があるヘッドレスCMSを比較し、どのような観点で選定すればいいかについて説明をします。
セキュリティリスクを回避できる『ヘッドレスCMS』とは
ヘッドレスCMSはフロントエンド機能を持たず、バックエンド機能のみで構成されたCMSです。 WordPressのようにフロントエンドとバックエンドが統合されているCMSに比べ、セキュリティリスクを回避できるため、金融系の企業のWebサイトでの導入を推奨しています。
簡単に言えば、ヘッドレスCMSはコンテンツ管理システムであり、外部からAPIを通じて記事情報などのデータを呼び出すことが可能です。また、WordPressのようなデザインや機能の制約に縛られず、フロントエンドのカスタマイズが自由にできる点も大きな利点です。
代表的なヘッドレスCMSとは?
Contentful
世界で一番利用者が多い、ヘッドレスCMSのパイオニア的存在です。
豊富な機能と充実したドキュメンテーションが魅力ですが、日本での普及率は高くないためか、日本語の情報は多くありません。価格は他のヘッドレスCMSと比較してやや高めです。
microCMS
こちらは国産のヘッドレスCMSです。シンプルで使いやすいUIが特徴です。特にマーケティングやコンテンツ制作に重点を置いており、パフォーマンスにも優れています。
また、microCMSは画像専用CDN「imgix」が追加料金なしで利用できます。これにより、サーバーにアップロードされた画像データをデータ転送することなく自由に編集できます。ページスピード改善の重要な要素である画像最適化を簡単に行えることは、大きな利点です。
Craft Cross CMS
MAツールの「KARTE」でおなじみのプレイド社が開発された国産のヘッドレスCMS。
2026年でサービス終了となるNewtを買収をして、その機能をKARTEの機能に盛り込んだ新しいCMSです。
特徴的な機能としては、文案提案や改善補助を行うCopilot、コンテンツ制作ワークフローをAIで効率化する際に利用可能なRemote MCPなどの生成AIがCMS上で活用できたり、MAツールのKARTEと連携ができ、ユーザーによる出し分け機能の実装が1つのツールででき、実装から分析までできる部分がメリットです。
現状実績は少ないのですが、1to1マーケティングを叶える攻めのCMSとして活用する場合は魅力的です。
ヘッドレスCMSはどのように選べばいい?
ヘッドレスCMSを選定するにあたって、企業がどのような目的を叶えたいかによって、おすすめするCMSが変わってきます。
まず、国産企業のみの訴求で、安定的に運用したいのであれば、microCMSです。
理由としては、国産のCMSで実績も多くチャットサポートも充実をしているためです。
UIもシンプルで使いやすく、初心者でも迷わず使える部分がポイントです。
海外のグローバル展開を行うサイトなどを運用するのであれば、contentfulです。
世界初のヘッドレスCMSとのことで、豊富な機能があり拡張性が多いのと、複数の国で活用しやすい構成になっている部分が魅力的です。
改修後に攻めの施策を実行したいのであれば、Craft Cross CMSです。
コンテンツを更新しやすくするだけでなく、KARTEと連携をして、顧客に合わせた情報の出し分けや、さまざまな媒体へ情報展開できる部分など、1to1マーケティングを叶えるためのシステム基盤を、一つのツールでできる部分は魅力的です。
弊社に直接ご相談をいただければ、より詳細な特徴などもお伝え出来ますので、遠慮なくご相談ください。
ヘッドレスCMSはどのコンテンツに導入するのがおすすめなの?
CMS導入と聞くと、サイト全体を更新しなければならないイメージがあるかもしれませんが、ニュースリリースのみのような一部領域からの導入も可能です。このため、更新頻度が高く、入力する情報が決まっている領域からスモールスタートを行い、運用方法や手順に慣れたら段階的に領域を広げていくことで、移行後の運用負荷を軽減、追加機能の導入も柔軟に対応でき、運用担当者のニーズに沿った開発が可能です。
緊急のお知らせエリアの更新
ニュースリリースの更新
記事コンテンツの更新
キャンペーン情報の更新
よくあるご質問の更新
店舗・ATMの更新
金利情報の更新
他のCMSから新しくCMSを移行するのって大変ではないの?
既存サイトでCMSを導入をしている場合、大量のページなどが存在して、なかなか移行に踏みきれないってことはありませんか?弊社がCMSの移行を行う際には、人力による手作業ではなく、効率的なプログラム対応で、スピードを早めつつ、より高品質な移行が可能です。移行プログラムのナレッジは、microCMSの公式ブログに寄稿していますので、興味がある方はご確認ください。
ヘッドレスCMSを導入したい場合には
メンバーズルーツは、microCMS公認パートナーや、KARTEの「Official Partner」にも認定されており、ヘッドレスCMSを活用したWebサイトやアプリの制作を得意としています。多くの企業での導入実績もございますので、ヘッドレスCMSの導入をご検討中の企業担当者さまは、ぜひ下記のサービスサイトをご確認ください。